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兵庫県内の社会貢献企業を紹介

多様な活動資源とノウハウを持つ「企業」の社会貢献活動を促進し、「ひょうごの地域づくり活動」の輪を一層広げていくため、県内企業による社会貢献活動の実践事例や県の支援・促進施策をご紹介します。

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すべての人に安心を届けたい

神戸

事業者名 シスメックス株式会社
代表者名 代表取締役会長兼社長 CEO   家次 恒
設立 昭和43年(1968年)2月20日
資本金 12,276百万円(2018年3月31日現在)
従業員数   連結:8,445名  単体:2,537名
(2018年3月31日現在)
所在地 兵庫県神戸市中央区脇浜海岸通1丁目5番1号
主な事業活動 臨床検査機器、検査用試薬ならびに関連ソフトウェアなどの開発・製造・販売・輸出入
ホームページ https://www.sysmex.co.jp/ シスメックス株式会社
掲載日 平成31年3月20日

シスメックス株式会社 
コーポレートコミュニケーション本部
CSR・環境推進部           部長   高橋 恵美子 様
                    係長   中山 真由美 様
                         宮本 亜由美 様

                      にお話を伺いました。



貴社の「社会貢献方針」について教えてください

■シスメックスに関わるすべての人に「安心」を届けたい
  当社の創業者の中谷太郎は、製品を使う人、取引先、従業員の3者に安心を届けることを創業理念「三つの安心」として掲げていました。当社が携わる仕事の社会的な使命をはっきりと認識し、「品質は心、企業のいのち」だという強い決意のもと全社に浸透させ、強化を図ってきました。 2007年にグローバルな経営環境の変化に合わせて創業理念を発展させ、企業理念「Sysmex Way」を制定しましたが、新しい製品開発への挑戦や、シスメックスに関わるすべての人に「安心」を届けたい、という想いは変わっていません。

■「企業理念」→「行動基準」→「社会貢献方針」
 企業理念に従い、お客様、従業員、取引先、株主様、そして社会という5つのステークホルダーに対する「行動基準」を策定しました。その中で、「環境問題をはじめ地球や社会が抱える様々な問題の解決に、社会と共に取り組む」ことをうたっています。
 これを具体化させたものが当社の「社会貢献方針」で、「豊かな健康社会への貢献」「活き活きとした地域社会への協力」「従業員の社会貢献活動への支援」の3つの柱から成っています。

具体的にどのような活動を行っていますか

■創立50周年を機にグループ統一テーマを掲げる
 2018年度は当社の創立50周年に当たることもあり、「より健康な社会を目指す」というグループ統一のテーマを掲げ、海外も含めて様々な活動を行いました。特に力を入れた活動として、献血や血液の大切さに関する啓発など、健康に関する講座やイベントへの参加があります。

■小中学校への出前授業、テクノパークでの健康セミナー

 神戸市内の小学校で、赤血球、白血球のキャラクターを使った血液と健康の関わりについての出前授業を行い、3校で小学6年生約300名が参加しました。さらに、中学校2校で、がん治療で期待される遺伝子検査に関する出前授業も行いました。
 
 また、神戸市西区にある研究開発拠点テクノパークを一般開放した際に、がんやアルツハイマー、糖尿病などの最新情報をお届けする「健康セミナー」や、血液検査や献血についてのミニ講座を実施しました。 

■「社会貢献ポイント制度」を設ける
 会社主催のイベントに参加した場合は1人につき5ポイント、それ以外の個人的活動では3ポイント付与する「社会貢献ポイント制度」を設けています。地域の見守り活動や清掃、ボランティアでスポーツ少年団のコーチを引き受けた場合などは、後者に該当します。年間でトータルのポイントを集計し、それに応じた金額を、非営利団体に、会社から寄付しています。従業員のボランティア活動による頑張りと、会社からの寄付という二重の社会貢献活動が行える仕組みです。2017年度は国内で1,319名が参加し、約160万円を寄付しました。  
 従業員の参加しやすい環境づくりのひとつとして、ボランティア休暇制度を設けています。

NPO法人や地域団体との協働の事例はありますか

■小児がんのお子様と家族をキッザニアに招待

  認定NPO法人ジャパンハートの「すまいるスマイルプロジェクト」に協力しています。これは普段家族連れで外出することが難しい小児がんのお子様とその家族を、医療者をはじめとする多くのボランティアがサポートして、様々なイベントに招待するプロジェクトです。当社の「社会貢献ポイント制度」の寄付先の一つになっています。

 
 従業員がボランティアとして協力したものには、「キッザニア甲子園への招待企画」や「親子で楽しむコーヒーセミナー」などがあります。どちらも参加したご家族に大変好評でした。

 


■地域発達支援教室での託児ボランティア
 神戸大学地域連携センターの活動にも協力しています。就学前の発達が疑われるお子様とその家族への支援活動として「ぽっとらっく」という教室があります。保護者の方が発達に関する様々なテーマについて講演をお聞きになっている間、学生、保育士、保健師、地域ボランティアがお子様を預かり、子どもプログラムを実施するのですが、当社の従業員もボランティアとして参加しています。 

災害支援活動にも取り組んでおられますね

■災害時医薬品供給活動に関する協力体制の構築
 東日本大震災では医薬品供給体制が壊滅的な打撃を受け、全国からの多くの人的・物的支援も、調剤設備の不足のため十分に活用できませんでした。その反省に立ち、一般社団法人宮城県薬剤師会では全国に先駆けて、災害時に薬局機能を有する医薬品供給車両を開発しました。
 それを受けて兵庫県でも、一般社団法人兵庫県薬剤師会と株式会社新開トランスポートシステムズ、それに当社が協力し、薬局機能を有するモバイルファーマシーの運用体制を構築しました。この車両は散剤(粉薬)分包機などを備え、被災地で自立的に医薬品の調剤と供給を行うことができます。

■災害派遣に備えて訓練

  通常時当社が所有する車両は、検体検査機器のデモンストレーションに活用しています。災害が起こると、当社はデモンストレーション用の車両を供給し、新開トランスポートシステムズが運転手の確保と運行にあたり、兵庫県薬剤師会が被災地での医薬品供給活動を行います。
 
 

これまでの活動の成果と今後の課題を教えてください

■感謝される喜びを知り仕事にも刺激
 今年度は創立50周年をきっかけに、活動の輪が広がりました。特に、初めて参加する層が格段に増えました。 全世界で8千人以上になる従業員が同じ目標に向かって活動することで、グローバルな一体感を醸成できました。社内SNSを情報共有ツールとして積極的に活用し、海外の事業所も含めて1年間でのべ1万3千人もの人が参加しました。
 参加者からは、感謝される喜びを感じると共に、仕事へのやりがいや充実感、刺激になった、といった声がありました。事業と関連が深い分野で活動することで、ヘルスケアの企業に所属する者としての誇りを感じることができたと思います。

■いかに継続するか
 課題についてはまだ把握し切れていませんが、継続が大事だと考えています。今回初めて参加した人たちが、来年度以降も継続できるように環境を整備していくことと、参加者の満足度を高める工夫が必要だと思います。  

最後に、県民へのメッセージをお願いします

■事業を通じて社会貢献を行う
 ボランティア活動は今後も地道に継続していきますが、その一方で当社は、事業を通じた社会貢献、という考えを持っています。それは「人々の健康を支える製品を開発したい」という創業者の想いが、今でも社内に受け継がれているからです。
 現在当社の製品は世界の190カ国以上で使われています。それぞれの国が様々な問題や社会課題を抱えています。これらの製品がその解決の一助になれば、と考えています。
  例えばマラリアをはじめ疾病で苦しむ国や地域に、安価で高性能の医療関連製品を供給することができれば、感染に苦しむ国々の医療課題を解決することにつながります。
 当社は、創業から続く想いと共に、事業を通じて、医療の発展と人々の健やかな暮らしに貢献していきたいと考えています。


       

本日はありがとうございました。

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