自分たちにできる『当たり前のこと』を行い続けていく
事業者名 | 株式会社ソーイング竹内 |
---|---|
代表者名 | 代表取締役 竹内 裕児 |
設立 | 昭和57年4月1日 |
資本金 | 1,000万円 |
所在地 | 兵庫県多可郡多可町中区糀屋90番地 |
主な事業活動 | 縫製加工全般(雑貨品) 等 |
ホームページ | https://www.sewing-takeuchi.co.jp/ 株式会社ソーイング竹内 |
掲載日 | 令和元年8月19日 |
株式会社ソーイング竹内
代表取締役 竹内 裕児 様
営業部 笹倉 清明 様
にお話を伺いました。
繊維産業の盛んな多可町に拠点を置く会社
株式会社ソーイング竹内は、繊維産業の盛んな多可町に縫製加工業をメインとして創業し、現在も播州織に限らず、 全国各地から届く様々な生地を形にして、世に送り出しています。 近年では、地域産の質の高い生地、日本の高度な染色技術を駆使し、日本独自のハンカチ文化を国内は元より、 世界に発信していこうと、ハンカチブランド<Remember Me(リメンバーミー)>と<ROOTZIEL(ルーツィール)>を立ち上げ、 雑貨商品の製造販売卸にも力を入れています。
社会貢献活動を始められたきっかけは
■きっかけはエコアクション21の取得
コスト面でアジアに押されている状況で会社も危機的な状況にあり、生地を使い切るにはどうしたらいいか、
と単純な発想から状況の打開策を模索していました。当時のお得意先様より、環境省のパイロット事業であった
『エコアクション21』(※1)についてお声がけいただき、取得にいたりました。事業を進めるにあたり、
それまで無かった会社の理念ができたことも大きかったです。
我々が目指しているところは、機械的なものづくりではなく『心が伝わるものづくり』です。
自分たちだけが良い、という考え方では企業としても長くは続いていくことができないと感じています。
具体的な社会貢献活動について
■地域の清掃活動
月に1回、草が伸びる夏の時期は2回、地域の清掃活動を行っています。ゴミ拾いや草刈り、
用水路掃除など、会社周辺地域の清掃をメインに行っています。
■「災害時における事業所の施設利用に関する協定」を多可町中区糀屋と締結
工場の立て替えを検討していた折、地域の公民館だけでは災害時に収容できる人数が限られていると
いう現状を知り、せっかく建て替えるのであれば、地域の方々に避難所として使っていただける建物に
したいと考えました。昨年建て替えた工場は、近隣の中で耐震性に優れた一番新しい建物ということも
あり、災害時に避難所として活用することを想定して自家発電・蓄電池を備え、バリアフリー化したトイレも数多く備えています。
■地域の神社への寄附や地域イベントに合わせて自社で作った製品を提供
地域があって弊社があるという考えから、地域との繋がりを大事にし、地域イベントには、弊社で作ったTシャツを無償提供
しています。また、多可町は『敬老の日』発祥の地です。そのような地域に拠点を置いているという縁もあり、
地域のおじいちゃんおばあちゃんに自社で作ったマフラーなどをプレゼントしています。
■お裁縫教室
定期的に年に数回、地域の方を対象に、自社工場のスペースを一部開放して、お裁縫教室を行っています。
現在は買ったらモノが手に入る時代ですが、お母さんやおばあちゃんが作ってくれたお弁当袋や風呂敷など、
やはり気持ちがこもるものになります。ミシンを使ったことがない方も参加者にはおられるので、
社員がきちんとレクチャーをし、皆様それぞれが素敵なものづくりを体験しておられます。
活動を継続することでの社内の変化
■当たり前のことを社員一人ひとりができる環境に
エコアクション21を取得前は、どちらかというと整理整頓などができていない会社でした。地域の清掃など土曜日に行っているため、最初の頃は社員からの反発もあったように思います。しかし、徐々に意識も変わり、今では清掃に限らず、社員みんなで同じ方向を向いて様々な活動ができるようになりました。
■社内の密な連絡体制
縫製加工業ということもあり、生地の裁断から縫製、仕上げ、発送と、過程を経て商品が世に出て行きますが、例えば裁断を担当していると、裁断された生地がどのような製品になり売られているのかが分かりません。社員みんなが同じ方向を向いて活動するには、モチベーションの維持も大切だと感じているので、百貨店での販売状況などを営業から積極的に報告させ、モチベーションを含め製品づくりの責任感を持って仕事に取り組む体制づくりをしています。今後もそういう姿勢で、社内の信頼関係を築いていきたいと考えています。
活動を通じて社外にも変化が
■地域に対してのイベント開催で、求人にも変化が
お裁縫教室では、自社のことを知ってもらえる良い機会となっています。参加される地域のお母さん世代の方々が、弊社の業務を知ることで、子育てから復帰される時期に「働いてみようかな」と前向きに仕事復帰を考えるきっかけにもなっているようです。
パートや内職の方の募集をかけた際には、働きたいと言ってくださる方が多く、現在働いている社員は20代30代も多く在籍し、フレックスタイムを取り入れるなど働き方も多様化しています。
今後の課題と抱負をお聞かせください
■地域のために自分たちができること
繊維産業が衰退し、この地域の活気もかつてほどではなくなる中、なかなか地域外の情報に乏しい現状があります。この地域に拠点を置く弊社が『地域未来牽引企業』(※2)として、弊社のSDGs(※3)への取り組みをはじめ、地域に対して積極的に情報発信していくことが必要だと感じています。現在は多可町と定期的に話し合いの場を設け、行政と連携して何かできることはないかと模索しているところです。
■自分が当たり前だと思うことを積極的に行える人づくり
現在取り組んでいることは、社会貢献として行っていることではなく、私たちが「当たり前に行わなければいけない」と思うことを、自分たちができる範囲で実行しています。今行っている活動を通じ、社員をはじめ周りの方が『当たり前のことが、当たり前にできる』というような人になってもらえればいいなと思います。またそれが、次の世代にもずっと続いていくような…さらに発展した活動になればと考えています。
本日はありがとうございました。