「まちを元気にする工務店」をめざして
企業名 | 株式会社ミキホーム |
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代表者名 | 代表取締役社長 三木 克彦 |
設立 | 昭和50年3月1日 |
資本金 | 4,850万円(平成21年1月現在) |
社員数 | 33名 (平成21年1月現在) |
所在地 | 兵庫県養父市上箇55番地5 |
主な事業活動 |
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ホームページ | |
掲載日 | 平成21年1月28日 |
株式会社ミキホームの三木克彦社長にお話を伺いました。
社会貢献活動をはじめられたきっかけはなんですか。
昭和43年(1968年)の創業以来、但馬の地で「国産材の家」にこだわり、世代を越えて受け継がれる家づくりに取り組んでいます。そのために材木の素材を吟味し、全国から調達しています。国産の木は肌ざわりがよく、手ごたえがあり、良い香りがします。地域住民の方々にも見学会でただ眺めるだけでなく、木にふれて、その良さを感じてもらえる場をつくれないかと思っていました。私にも小学生の子供がいるのですが、小学生には夏休みに工作の宿題があります。
そこで、休み中に家族で木工に取り組んでもらうことにより、楽しみながら宿題をかたづけてもらおうと「親子木工教室」を企画しました。
具体的にどのような活動をされているのですか。
計画、立案、実施にあたっては社内で実行委員会をつくり、社員5,6人が中心となって企画、運営について協議をして進めています。昨年はロボットの貯金箱とすのこ、プランター、家族の伝言板を用意し、一人一作品を作りました。ロボットの貯金箱は何度も事前に試作を繰り返したかいがあり、子供たちへの受けがとても良かったです。たまに大工さんの出番もありますが、どの子も頑張って組み立て、色をつけて自分だけの作品を仕上げました。
また、当日会場には、自然の木をくり抜いたすべり台やトンネルで遊べる「キッズコーナー」、「樹種当てクイズコーナー」などを設けて家族で楽しんでもらいました。
たくさんの参加があったようですね。
募集については、新聞の折込みや地域各戸の郵便受けに社員がチラシを入れました。またたく間に予定人数に達し、8月4日には会場いっぱい親子181組600名の参加がありました。
最近の家庭ではあまり木工をする機会がないようですが、どの子もそれは楽しそうに木を切ったり、釘を打ったりしていました。おとうさんたちも、張り切って腕をふるいました。親子での参加としたのは、このように夏休みの一日を家族で過ごしてきずなを深めてほしいと考えたからです。
教室が終わり「来年も来るね」と大事そうに作品を抱えて帰る子供たちを見送っていると、こちらまで笑顔になります。後日、大工さんにお礼の手紙をくれた子もいました。
小学校の社会見学も受け入れられたそうですね。
昨年、近隣の小学校から当社に社会見学の申し入れがありまして、3年生33名が訪問してくれました。
はじめのあいさつで、大工さんになりたい人がいるか生徒に聞いたところ、一人もいませんでした。その後、木材を加工するところを見学して木工体験をしました。最後に、もう一度同じ質問をすると、今度は10人が手を挙げてくれました。嬉しかったですね(笑)。
帰りぎわに、私のところにやって来て、木片や切りくずを「もらってもいいですか」と尋ねる生徒がたくさんいました。「もっときれいなのがあるよ」と言っても、自分が加工したものに愛着があるらしく、嬉しそうに持ち帰っていました。
自分のまちに工務店があることを知り、そこで木にふれて大工さんの仕事にも興味を持ってくれれば、こんなに嬉しいことはありません。
地域の中で活動に共感される方も現れたそうですね。
「親子木工教室」を実施した時、当社のお客様で美術関係の仕事をされている方が来られて、色のぬり方やコツをアドバイスしてくださいました。そのお陰できれいな作品に仕上がり、子どもたちはとても喜んでいました。
他にも、同じくお客様でそろばん塾を経営されている方が、自然木のすべり台とトンネルを譲ってほしいと申し出てこられ、私たちが驚きました。何分高額なものですし、まさかこれをほしいとおっしゃる方があるとは思いもしませんでした。当社に置いておくより活用してもらえると思い、お譲りすることにしましたが、その後もたくさんの子どもたちが、そのそろばん塾で楽しく遊んでいるとお聞きして、私たちも本当に嬉しく思っています。
このように、子供たちを喜ばせたい、笑顔を見たいという思いに共感してくださる方々が地域にいらっしゃることがわかったのも、この活動をしていたからで、このつながりを大切にしていきたいと思っています。
今後どのように活動されますか。
これからも「親子木工教室」を実施していくつもりです。それから、敷地内にショールームがあるのですが、ここを地域の方々が集う場として活用する方法を考えています。リタイアした大工さんもいるので、夏休みだけでなく普段から木工教室を開くなど、みなさんに気軽に立ち寄ってもらえるふれあいの場にしたいと思っています。そして、地域のなかで協働できるネットワークをつくり、今後もまちを元気にする活動を続けていきたいと思っています。
また、すべり台、トンネルに続いて、次はどんな木で、どんなふうに地域の人たち、特に子どもたちをあっと言わせようかと構想を練っています。
今から社会貢献活動に取り組まれる方々にアドバイスをお願いします。
私の好きな言葉に「他人(ひと)のために何かをした瞬間(とき)に人は輝く」というものがあります。他の人のために役立つこと、他の人が喜ぶことをどんなささいなことでも、身近なところから始めてほしいと思います。それが、人として、企業として成長していくことにも通じるのではないでしょうか。
ありがとうございます。