『ベストクオリティで世界と共生』の社是のもと
企業名 | アース製薬株式会社 |
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代表者名 | 代表取締役社長 大塚 達也 |
設立 | 大正14年8月26日 |
資本金 | 33億7,760万円 |
社員数 | 1,108名 |
所在地 | 東京都千代田区神田司町二丁目12番地1 |
主な事業活動 | 医薬品、医薬部外品、医療用具、家庭用品などの製造販売並びに輸出入 |
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掲載日 | 平成22年12月3日 |
アース製薬株式会社 総務部(赤穂)部長 柏原孝信さん にお話を伺いました。
御社の社会貢献活動についての考えをお聞かせ下さい。
当社の社是は『ベストクオリティで世界と共生』です。この言葉の中には、人々の幸せをグローバルな視点で捉える視野の広さと、共に地球上に暮らす人の共通財産である自然環境と共生して行くという願いと決意が込められています。
また、当社の基本姿勢である「地球環境への対応と経営は別々にあるのではなく、一体のものである」という考えの基、社会貢献活動に取り組んでいます。
また、平成18年の東証一部銘柄指定を機に、より一層社会貢献活動に力を入れなくてはならないと考えてきました。
環境に配慮した取り組みも行っておられるようですが。
平成19年に環境基本方針を策定し、環境に配慮した様々な取り組みを行っています。
全社的にCO2の削減に取り組んでいますが、組織を生産、物流、事務、研究開発、海外という部門ごとに分け、その部門に適した環境保全の取り組みを行っています。
例えば、当社から発生するCO2の大半が製造過程にあります。そこで、製造部門では現場で働く人全員がCO2排出量を減らすための改善案を提案できるように“カイゼンメモ”というカイゼン提案活動を取り入れ、現場の人だからこそ気づくことの出来る細やかな提案から、工場設備の仕組みに至るまで様々な提案を募っています。赤穂地区(坂越工場、赤穂工場)だけで1年間に約1,000件の改善案が提出されました。大きなことから小さなことまで、全社員が意識的に環境に配慮した取り組みを行うことにより、導入から3年でCO2排出量を全体の15%削減することが出来ました。また平成21年1月には環境省策定の環境マネジメントシステムである「エコアクション21」の認証登録を受けることが出来ました。
被災地への支援もおこなっているようですね。
当社では災害で被災された地域に物資の提供を行っています。災害支援は迅速さが大切ということから社内の危機管理委員会で検討し、いち早く必要物資の提供を出来る体制にしています。提供する物資は季節や被災状況を考慮し、夏場なら殺虫剤、虫よけ剤、洗口液等、冬場なら除菌ジェル、入浴剤、高性能マスク等、ニーズに合わせた製品の提供を行っています。最近では、平成21年の兵庫県佐用町の水害、平成22年の奄美地方大雨災害の際にも物資の提供を行いました。
紺綬褒章を受章したストップモスキートプロジェクトについて教えて下さい。
平成21年度に「感謝」と「社会への還元」をキーワードに、「ストップモスキート」プロジェクトを展開しました。このプロジェクトは、蚊を媒介とするマラリアなどの感染症に苦しんでいる世界の人々にも何らかの形で貢献したいという思いから始まりました。
これはプロジェクト期間中、対象商品であるアースノーマットの売上1個につき5円をマラリアなど蚊が媒介する感染症で苦しむ人々の命を守る活動へ寄附するというものです。
このような大きなテーマに当社だけで取り組むのは困難であり、信頼できるパートナーとして日本赤十字社に協力していただき、同プロジェクトを行った結果、全体で1,000万円をケニアに寄附することが出来ました。
この活動が国に認められ、公益のために私財を寄附した者に授与される紺綬褒章を平成22年2月に受章しました。
教育への取り組みについて教えて下さい。
当社では工場見学と出前授業を行っています。工場見学では、製品づくりの舞台裏を知ってもらい、当社の活動への理解を深めてもらう貴重な機会になっています。見学コースは研究棟の飼育室を一般公開し、生物研究のために飼育している害虫を見たりして勉強してもらっています。
工場見学には学校関係以外にも地域の官公庁・商工会議所・各種団体等からも来て頂いています。また、開発担当者が地域の学校へ出向き、殺虫剤の説明や蚊取り線香づくりを体験してもらう出前授業を年間6時間、2,3回に分けて行っています。
環境保全活動も行っておられるようですが。
各工場では毎月一回、工場周辺の清掃活動を行っています。特にここ坂越工場は、眼前に瀬戸内海が広がっており、工場と海の間が地元の観光道路という立地ですので、春と秋には観光道路にあるカーブミラーの掃除を行っています。また年一回、社員が地元の方と一緒に海岸の清掃活動を行っています。
そして、海に面した場所ということで、油類の取り扱いには細心の注意を払っていますが、万一の油漏えい事故を想定して、地元自治会の方たちに協力していただき、油の拡散を防止するオイルフェンスを海面に貼る訓練を定期的に行っています。その他にも、赤穂市の環境フェアに出展し、パネル展示を行い環境問題の啓発活動も行っています。
これから社会貢献活動に取り組もうとする企業への一言をお願いします。
社会貢献活動は堅苦しく考えたら、出来なくなってしまいます。出来る範囲のことを意識してやるということで良いのではないかと思います。もちろん、社員を啓発して全体のレベルアップを図ることも必要ですが、それとともに企業全体で取り組むという企業風土をつくる事が重要だと思います。
当社の活動は、まだ十分に社会に貢献しているとは言えませんが、CSR(企業の社会的責任)を認識して、今後の社会貢献活動に取り組みたいと考えています。
本日はありがとうございました。