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兵庫県内の社会貢献企業を紹介

多様な活動資源とノウハウを持つ「企業」の社会貢献活動を促進し、「ひょうごの地域づくり活動」の輪を一層広げていくため、県内企業による社会貢献活動の実践事例や県の支援・促進施策をご紹介します。

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~新社屋に感謝の気持ちを込めて~心ある経営で社会貢献

神戸

企業名 株式会社マルヤナギ小倉屋
代表者名 代表取締役社長 柳本 一郎
設立 昭和26年12月26日
資本金 9,950万円
社員数 442名
所在地 兵庫県神戸市東灘区御影塚町4-9-21
主な事業活動 昆布佃煮・煮豆・その他佃煮・惣菜・その他食品の製造卸販売
ホームページ 株式会社小倉屋柳本のホームページ
掲載日 平成23年3月25日
(更新日:平成29年2月2日)

株式会社マルヤナギ小倉屋 代表取締役社長 柳本 一郎さんにお話を伺いました。

地域貢献活動についてのお考えを教えて下さい。

                                   インタビューの様子                

 当社は創業時から、企業として着実に生産量を増やし、雇用を創出し、税金を納めるという企業としての基本的な活動を行うことで精一杯でした。その中でも、身の丈に合ったマルヤナギらしい、できるだけ手づくりで心のこもった商品を提供することを心がけてきました。
 平成17年に創業55周年を迎えた際、企業理念を見直し、『仕事を通じて人格・人間性を成長させ、お互いに切磋琢磨できる心ある経営』という理念を掲げました。
 御影に社屋を構えて53年、我が子を見るように温かい眼で見守ってくださった地域の人々への恩返しという意味も込めて、地域貢献活動に取り組んで行きたいと考えています。

新社屋について教えて下さい。

            新社屋の外観             

 阪神・淡路大震災(平成7年)では本社が全壊する等、壊滅的なダメージを受けました。それから昨年までの15年間、仮事務所で業績の回復を図ってきました。
 平成22年に新社屋を建設できることとなった時、今まで見守ってくださった地域に少しでも恩返しがしたいという想いもあり設計を工夫しました。
 例えば、1階の店舗「佃煮工房」では地域のコミュニティの場となるよう、休憩できるベンチや試飲できる黒豆茶、お茶菓子を置き、憩いのスペースとして活用してもらえる工夫をしています。休憩スペースからは、震災時に地域の方々の生活水として活躍した井戸を作り替えた池が見え、思い入れの深い場所となっています。また、新社屋内にはキッチンスタジオを設置し、食育イベントを行えるようにしました。
 新社屋の開店当日には、予想を上回る大勢の方に訪れて頂きました。「震災の時、ここ(マルヤナギ)の井戸に助けてもらった。感謝している。こんな立派な建物が建って誇りに思う。」というお声をいただき、地域の方々から応援していただいているということを実感しました。
 これから新社屋を地域のためにも、イベント等に活用していき、地域の方々に気軽に親しんでいただける建物になればと思っています。

積極的に食育活動に取り組まれているようですね。

            マルヤナギ キッチンチャレンジ                   

 食料品メーカーとして、食の文化を伝えていくことはとても大切なことです。当社もマルヤナギらしい食育活動として体験型食育料理教室「マルヤナギ キッチンチャレンジ」を行っています。
 これは、5歳~小学3年生を対象に、平成19年から年に3,4回開催しています。当教室では、食材の知識や料理の技術だけでなく、出来る限り一人で包丁を持って料理を作り、後片付けまで教えることにしているので、保護者からは「後片付け、掃除もするようになった」と、とても評判が良く、定員はすぐにいっぱいになります。
 講師はインストラクターの資格を取得した当社の若手社員が担当し、教室当日までの企画を全て行います。
 現在、社内で資格保持者は8名、所属部署に関係なく資格を取得しており、全社的に取り組む体制を整えています。
 また、神戸市主催の「こうべ食育フェア」にも毎回出展しています。ブースでは“豆つかみゲーム”や手触りで食材を当てる“なんだろうBOX”などゲーム感覚で楽しみながら食に興味を持ってもらえるように工夫しています。
 このような食育活動が認められ、東灘区で第1号の食育協力店(注)に神戸市東灘区役所から認定していただきました。

(注)メニューや商品へのエネルギーや栄養成分のわかりやすい表示、ヘルシーメニュー提供、食に関する情報の提供、地産地消などに取り組む企業・飲食店・団体を認定する神戸市東灘区の制度

食育活動のこれからについて教えて下さい。

キッチンスタジオ

           

 新社屋にキッチンスタジオが出来たことで、今までよりもさらに食育活動に力を入れ、キッチンチャレンジの開催頻度も増やしていきたいと思っています。
 これからの食育活動も、調理する楽しさ、食習慣の重要性等を実感できるものとなるように工夫していきたいと考えています。

農園をお持ちのようですが。


農園での収穫祭

 大門工場(加東市)前の土地一角を活用して「マルヤナギふれあい農園」を造りました。最初は、商品に使用する食材をメインに黒豆、さつまいもなどを植え、どのようにして育っていくか観察しブログで観察日記を公開していました。
 収穫の時期には社員や社員の家族を呼んで収穫祭を行っています。今では、農園で収穫した採れたて野菜を食育活動にも活用しています。キッチンチャレンジでは普段触れる機会の少ない土のついた野菜を使うことによって、より貴重な体験ができる食育イベントになりました。
 農園の管理は大門工場を退職された先輩方にお願いしています。元々地元の方が多いということや、農業を得意分野とする方も多く、快く引き受けていただいています。また、農園には憩いのゾーンもあり、今後、農園を開放し取引先や地域の方々が気軽に集まることの出来る場所になればと思っています。               

その他に行っている地域貢献活動はありますか?

           

 地域の清掃活動として、神戸市が年2回実施する住吉川クリーン作戦に社員が家族と一緒に参加しています。また、毎日、朝礼の前の30分弱の時間を利用して社員が自主的に建物内はもちろん、周辺の清掃活動を行っています。
 その他、トライやるウィークの受入れ、KOBEルミナリエ、エコキャップ活動等にも取り組んでいます。

これから社会貢献に取り組もうとする企業への一言をお願いします。


 社会貢献活動への取り組みは、自然な思いの中で、無理なく、地道に、そして身の丈にあった活動をしていくことが一番大切なことだと思います。

本日はありがとうございました。

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