独り暮らしの高齢者に届ける「福祉の寿司」
~地域とともに高齢化社会を支える~
事業者名 | 株式会社 森重 |
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代表者名 | 代表取締役 森田 義信 |
設立 | 昭和40年 |
資本金 | 1,000万円 |
社員数 | 30名 |
所在地 | 兵庫県揖保郡太子町蓮常寺351-1 |
主な事業活動 | 旅館業、飲食業 |
ホームページ | http://www.morisige.jp/ 株式会社 森重のページへ |
掲載日 | 平成24年11 月8日 |
株式会社 森重 代表取締役 森田 義信さんにお話を伺いました。
御社の社会貢献活動についてお聞かせください
20年ほど前から、社会福祉協議会の夕食サービスとして、太子町の独り暮らし高齢者に毎月1回「お寿司」の無料サービスを行っています。先代の社長が、実の親にできなかった親孝行のつもりで、両親の代わりに食べさせてあげたいという気持ちから始めたことです。その意志を継いで今も続けています。20年前と今とでは阪神・淡路大震災を契機にボランティアに対する一般の方の意識が変わったように感じます。私たちとしては、特別なことをしているわけではなく、ただ出来ることをお返ししたいという気持ちで、仕事の中の一部として作っています。
「お寿司」についてお聞かせください
お寿司のボリュームは箱が決まっているため、毎回決まっています。ただ、お寿司の具材は季節によって変え、その時々に応じて従業員で考えています。万一の場合を考えて、生ものはできるだけ使わず、夏場は休んでいます。「酢めし」を使ってはいますが、安全に十分に気を配りながらボランティアの方が配られる時間を考慮して、できるだけ新鮮な状態で届けられるようにしています。従業員の間ではこれを「福祉の寿司」と名付けています。
また、冷めたりしてもほとんど味が変わりませんし、変化がつけられるという理由で、「お寿司」にしています。用意する数は毎回異なりますが、大体90個前後です。用意する数は、毎回決まっているわけではなく、配達予定日の5日前くらいに社会福祉協議会さんから伝えられます。当初は50人程度だった届け先も年々増え、時には100人を超えたこともあります。
地域のボランティアとともに活動されているようですね
この「お寿司」の無料サービスは、太子町社会福祉協議会が実施している友愛訪問と安否確認を目的とした給食サービスの利用者に対し、毎月第3木曜日に夕食サービスとして地区の民生委員とボランティアで配食をしています。
また、包装は弊社で行いますが、「お寿司」を包装するカバーは町内在住の中学生と高校生のボランティアグループが作成されています。ボランティアグループ「イルカ」さんによるあたたかい絵手紙になっており、利用者の方はこれも楽しみにしているようです。弊社の従業員も季節に合った料理を作ることが難しい時もありますが、カバーが季節感のある内容になっているので楽しみにしています。
この活動をされていて嬉しく思ったことについてお聞かせください
利用者の方は、毎月一回届けられるお寿司を楽しみにしておられるようで、中には感謝の気持ちとして、手作りの爪楊枝入れを贈ってこられた方もおられます。
また、学校の同級生の方から「母親が森重さんのお寿司を楽しみにしている」と言われたことがあります。私は当初、弊社のお寿司を食べられるのは、食事をするのが困難な方だと思っていましたから、そういう風に届いているのかと嬉しくなりました。
今後の展望をお聞かせ願います
調理する人、配ってくれる人、そして食べてくださるお年寄り、たくさんの人のおかげで『すしが生きている』と思っています。今後も、特別負担になるようなことはしません。仕事の中の一部であるから、今まで続けられたのだと思っています。これからも、食べ物商売の中でできることを、『安全に』を考えながら、皆が喜んでくれる限りこの『福祉の寿司』を作り続けていきたいと思っています。
本日はありがとうございました。