地域に必要とされる金融機関であり続けるために
事業者名 | 尼崎信用金庫 |
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代表者名 | 理事長 作田 誠司 |
創業 | 大正10年6月6日 |
出資金 | 150億円 |
職員数 | 1,758人(平成29年9月末現在) |
所在地 | 尼崎市開明町3丁目30番地 |
主な事業活動 | 金融業 |
ホームページ | http://www.amashin.co.jp/ 尼崎信用金庫へ |
掲載日 | 平成29年12月25日 |
地域貢献活動に取組むきっかけや実施体制を教えてください
平成23年の当金庫創業90周年を機に、 地域との連携を一層深めていくために、地域貢献活動「あまちゃん・しんちゃんプロジェクト」(以下「プロジェクト」)をスタートさせました。
それまでも、地域の行事やお祭りなどへの参加といった地域の皆さんとのふれあいを中心とした活動に積極的に取組んでいましたが、プロジェクトを「本業のひとつとして能動的に参画する活動」と再定義し、「オールあましん」による活動を展開しています。
また、平成28年の創業95年を節目として、これまで継続してきた活動が「本当に地域に必要とされているのか?」「自己満足になっていないか?」といった視点で見直すことにしました。地域との連携において「単なる人手不足による助っ人」のような関わり方では、一時的な解決にすぎません。地域の課題解決に“もっと地域住民の皆さんと同じ目線で取組むことが必要なのでは?”との思いから、各支店で毎月1回ミーティングを行うほか、本部による活動のサポートを強化し、より深化した活動が行える体制としています。
各支店による地域貢献活動「あまちゃん・しんちゃんプロジェクト」はどのようなものがありますか
■浜甲子園支店
コミュニティを広げ地域を活性化させたいという思いから、鳴尾地区に古くから伝わる古民謡「鳴尾綿摘み踊り」の伝承活動に取組んでいます。
古民謡「鳴尾綿摘み踊り」とは、古くから「綿作」が盛んであった旧鳴尾村で江戸時代から明治時代にかけて親しまれてきた踊りなのですが、綿の栽培農家の減少とともに踊り手も減り、その後80年以上も踊られていませんでした。
西宮市の協力を得ながら、当金庫職員と地域の皆さんが一緒になってこの古民謡の踊りを教えてくださる方を探すことからスタート。ようやくたどり着いた踊りをご存知の方に協力いただき、踊りを復活させることができました。
今では、地元の鳴尾小学校や地域の盆踊りなどで披露するなど、地域との交流のきっかけとなっています。また、踊りを通して地域の歴史や文化についても伝承していきたいと考えており、地域の皆さんと実際に綿を育てることにも挑戦しています。今後、綿を収穫した場合は、それを原料に何かできないかと模索しています。
■尼崎、西宮、伊丹、芦屋で防災セミナーを実施
いつ起こるかわからない「南海トラフ大地震」による災害を想定し、地域住民の皆さんや地域でお勤めの皆さんに防災意識を高めていただこうと、各地域を管轄されている警察や消防の方にご協力いただき、各支店で「防災セミナー」を開催しています。
災害に対する日頃からの心得として、どこに避難指定場所があるのか?また、その場所へ安全に向かうにはどのようにすればよいのかなど、避難ルートを実際に歩いて確認いただきました。
また、家庭にあるもの(スーパーのポリ袋やキッチン用のラップなど)を活用した応急処置法についてもご指導いただきました。
あましん「おかね寺子屋」について教えてください
地域の子どもたちに「お金の大切さや信用金庫の仕事」を学んでいただくための金融教育プログラムとして、地域の小・中学校であましん「おかね寺子屋」を実施しています。
平成19年6月に開始して以来、延べ74校、約6,021人の児童・生徒の皆さんに参加いただいています。 (平成29年9月末日現在)
また平成28年8月には、創業95年記念「おかね寺子屋サマースクール」を開催しました。このサマースクールは、おかね寺子屋を受講した児童・生徒のご家族から「参加してみたい」とのお声があり、夏休みに特別開催したもので、約240名に参加いただきました。
働くこと、貯蓄することの大切さについての勉強、3億円分の模擬紙幣を見ていただいたほか、実際にお札を数える練習にも挑戦していただきました。
〈あましん〉グリーンプレミアムについて教えてください
〈あましん〉グリーンプレミアムは、平成23年の当金庫創業90周年に創設 した表彰制度です。環境改善に寄与する地域の皆さまの優れた技術や製品、工法、取組みやアイデアにスポットをあて表彰することで、新技術の開発や環境文化の創造につながることを願い毎年開催。
平成29年度で第7回目を迎えました。毎回100件を超えるご応募をいただいており、地域の皆さまの環境改善に対する熱意や関心の高さを感じています。
この〈あましん〉グリーンプレミアムは、平成29年3月、環境省「持続可能な社会の形成に向けた金融行動原則」(21世紀金融行動原則)の定時総会において、最優良取組事例として信用金庫初の「環境大臣賞」を受賞しました。
今回の受賞は、当金庫が積極的に進める環境問題に対する取組みが高く評価されたものと考えており、これからも、環境問題に対する取組みを企業の社会的責任として認識し、主体的かつ継続的に取組んでいきたいと思っています。
今後の活動への課題や抱負はありますか
CSR活動としてスポンサーのような役目を果たす企業は数多くあると思いますが、当金庫は単なる資金的な援助ではなく、「人」・「知恵」・「汗」を出して地域住民の一員として、地域の皆さんと同じ目線で活動を続けていきたいと考えています。これは、地域に密着し、地域のことをよく知る信用金庫だからできることだと思っています。
私たちは、自宅のある地域とは別に、勤務地がある地域においても「住民票を持っている」、すなわち、勤務地においても地域住民の1人であると考えています。日々変化を続ける地域にしっかりとアンテナを張り、地域のコミュニティに参画し活動を広げていくことが、地域活性化のきっかけになればこれほど嬉しいことはありません。
「地域貢献活動は本業のひとつ」。特別なことではなく当たり前のことにしていく、それが〈あましん〉と地域とのCSV(共通価値の創造)につながっていくと思います。地域に目を向け、地域と連携し、地域になくてはならない存在であり続けたい。「あまちゃん・しんちゃんプロジェクト」に取組む、私たち〈あましん〉の思いです。
本日はありがとうございました。