菓子店だからできる活動
事業者名 | 株式会社 谷常製菓 |
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代表者名 | 代表取締役 谷 孝之輔 |
設立 | 明治元年 |
資本金 | 1800万 |
職員数 | 30人 |
所在地 | 養父市八鹿町八鹿1500番地 |
主な事業活動 | 菓子製造・販売、喫茶、レストラン運営 |
ホームページ | http://www.tanitsune.jp/ 谷常製菓へ |
掲載日 | 平成29年10月19日 |
株式会社谷常製菓 企画室広報課
太田垣 文子 さん にお話しを伺いました。
御社は今年で創業150周年を迎えられるのですね。
私どもは、明治元年に八鹿で創業以来、代々伝わる伝統技術を受け継ぎながら、新しい製法・感性で素材にこだわる菓子づくりを続けています。お蔭様で今年創業150年を迎えることができました。
地元の小・中・高生とどのような関わりがありますか。
養父市内の小学3年生の児童を中心に、社会見学の一環として、店舗や製造工場の見学を受入れています。弊社の看板商品であります「鮎のささやき」は、機械化が進む中、伝統の技を受け継ぐ職人により手作りを続けています。他にもロールケーキを巻き上げる作業、商品の自動包装など普段なかなか目にすることのないお菓子の製造風景は、児童だけではなく、同行される保護者にも関心を持っていただいています。
また、中学生のトライやるや、高校生のインターンシップなどの受け入れも行っています。ラベル貼りや作業補助、接客等を中心に職業体験をしていただいています。参加した生徒からは、「立ちっぱなしの仕事はつらいが、お客様からの頑張ってのことばが嬉しかった」といった感想が寄せられています。
和菓子屋ならではのイベントがあると聞きました。
主なイベントとして、毎年、春にお花見カフェと秋に名月祭を開催しています。
まず、お花見カフェまつりについてですが、店舗の横に桜の木があり、元々春になると多くの方が立ち止まられていることがきっかけでした。限定で、桜に因んだ作り立てのお菓子などの提供をしています。桜は天候に大きく左右されるため、毎年きれいに咲いてくれるか心配ではありますが、従業員も楽しみなイベントのひとつとなっています。
つぎに、名月祭についてですが、地域の方々に楽しみ、喜んでいただけることをしたいと思ったことがきっかけで始めました。毎年9月に、シンガーやバイオリン、フルート奏者に出演を依頼し、みなさんに音楽を楽しみながら、お団子を味わっていただいています。今年で7回目の開催となり、毎年120人ほどの来場者がある地域の恒例行事となっています。
これらイベントは、従業員にとっても有意義であると感じています。日頃、店頭に立たない製造担当の者は、お客様と直接、お会いする大変貴重な機会となっています。
また、和菓子は伝統行事と深いつながりがあります。たとえば、お花見の桜もちやお月見団子と同様に、なぜ子どもの日にはかしわ餅を、土用の丑の日には土用餅を食べる習慣があるのか。そのようなことを、イベントをきっかけに次世代へ継承することも和菓子店の努めだと思っています。
社会貢献活動を活発にするために、どのように取り組んでいますか。
「利他・自発・全力」を行動規範としています。常に他人を思いやる心を忘れずに、社会貢献活動も同じ姿勢で取り組んでいます。
当社では、お客様やともに働く従業員に対し、「気配りができているな、すごいな」と思う人に従業員全員が投票し、得票の1番多かった者を、毎月1名表彰しています。お互いに気を配り合うことで、コミュニケーションの向上にもつながり、従業員がみな気持ちよく、働ける環境づくりを心掛けています。
その他、「ありがとうカード」を掲示場に掲示し、感謝の思いを本人に伝えるとともに、他の者への周知も行っています。
これからの展開について教えてください。
現在、地産地消に努めており、こうのとり米や蛇紋岩米をはじめとする地元産の素材、季節によりいちじくを使用したお菓子や朝倉山椒を使用したチョコなども製造しています。山椒は、爽やかな香りだけを残すあく抜きの方法を地元農家に教えていただき、実践しています。
昨年から新たな取組みとしてはじめたのが、いちごの栽培です。ハウス栽培に必要なペレットを豊岡市の業者から仕入れ、地元産業の活性化や資源活用に貢献しています。
今後は地元の皆様や企業との各々のつながりをより一層深め、協力しながら、地域を盛り上げていくことができればと考えています。ここ八鹿で150年商売を続けてこられているのは、地元の方々に支え、育てていただいているからだと感じています。これからも地域に密着した企業を目指し皆様と共に歩んでいきたいと思います 。
本日はありがとうございました。