地域と一心同体の志で取り組む社会貢献活動
企業名 | 淡路信用金庫 |
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代表者名 | 理事長 瀧川 好美 |
設立 | 昭和12年6月10日 |
出資金 | 1,329百万円(平成21年3月31日現在) |
社員数 | 528名(平成21年3月31日現在) |
所在地 | 兵庫県洲本市宇山3丁目5番25号 |
主な事業活動 | 預金業務、貸出業務、為替業務 |
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掲載日 | 平成22年1月21日 |
淡路信用金庫 理事長 瀧川好美さんにお話を伺いました。
社会貢献について、どのように考えておられるのでしょうか。
信用金庫(以下、金庫)は資産家がお金を出して設立することが多いのですが、当金庫は、昭和の初期に次々と金融機関が倒産していくなか、不安を感じた青年たちによって設立されました。洲本商工青年団青年同志75名が1日1銭を2年間積み立てて資本金とし、団長であった瀧川福市が創設者となりました。
ですから当金庫は、創設当初から「地域なくしては成り立たず、地域と一心同体」という精神を持っています。
私どもはお金を貸すというより、地域のみなさまのお金をお預かりしているのですから、地域のみなさまにお金の苦労をさせないことが、一番の社会貢献だと考えています。その上で、やるべきことはやっていかなければいけないと思っています。
創設者の瀧川福市は、地域からの頼まれごとは断らずにすべて引き受けておりました。地域のお世話をいろいろさせていただき、94歳まで金庫に出勤し、2006(平成18)年に98歳で亡くなりました。私たちもその遺志を継いでいかなければなりません。
瀧川福市に、『働くものは強し 貯えあるものはなお強し』という言葉があります。これは、“働く元気があることが大切。頭に知識を貯えることも大切”という意味です。
地域貢献を行うことによって、行う側の私たちに多くのものが貯えられていくと考えています。
具体的にはどのような活動をされていますか?
現在、淡路地域は、人口がピークの23万人から14万人強にまで減少し、今後7万人にまでなるという予測があります。そんな地域を少しでも活性化しようといろいろ模索したなかで、「信金ネットワーク」の形成を図ることによって淡路をアピールしています。その成果で、平成22(2010)年には、三島信金からはクルーズ客船の飛鳥Ⅱで800名が、蒲郡信金からはバスで460名が淡路を訪れる計画をされていると聞いています。
淡路には観光名所や御食国(みけつくに)にふさわしい食材もたくさんあります。これからもどんどん淡路のよいところを知っていただき、観光や定住をしていただく手助けをしていきたいと考えています。
環境への取り組みもされていますね。
2008(平成20)年の洞爺湖サミットにタイミングを合わせて「ふる里環境応援定期積金」を発売しました。これは定期積金の契約額総額の0.05%(上限500万円)を当金庫がふる里の自然環境保全に役立ててもらうことを目的に寄付するものです。お陰様で契約額が100億円を超える人気商品となり、500万円を淡路地区及び明石市を含む阪神地区の自然環境保全に役立てていただこうと、淡路3市(洲本市、南あわじ市、淡路市)と兵庫県に寄付させていただきました。これは、お客さまと当金庫が環境問題への意識を共有する初めての商品です。
また、新しく支店を建設するときには、太陽光発電を取り入れています。環境への効果はすぐにはでないかも知れませんが、地域のために出来ることを積極的に実行に移しています。
職員の方々もボランティア活動をされているとか。
5、6年前、職員から自発的に、社会貢献活動として観光施設の清掃活動をしたらどうかという声が上がり、淡路島内と神戸市内の海水浴場等で、6月の創立記念日近くの土曜日に役職員の全員参加で行っています。
2007(平成19)年からは、淡路島内の商業施設4カ所でCO₂の削減を目的とするエコ・チェックシートを配り、地球温暖化防止を訴えるキャンペーン活動を始めました。
財団法人を持っておられますが、どのようなことをされているのでしょうか。
当金庫だけではできないことを、ふたつの財団法人で担っています。
財団法人 淡路経済振興財団は、1984(昭和59)年より、淡路島の経済振興に貢献する法人・個人への助成活動などを行っています。
また、財団法人 淡路信用積善会は、社会公共の福祉を増進することを目的とし、1945(昭和20)年より、淡路地区の社会福祉、青少年の健全育成等の事業に対し、必要な援護事業(助成金・援護金)を行っており、1985(昭和60)年からは、寝たきりのお年寄りを長年在宅でお世話しているご家族の方の労をねぎらうため介護者表彰を新たに追加し、これまでに延べ499名の方を表彰しました。
雇用においても社会貢献を考えておられるそうですが。
当金庫は、地域密着型金融機関ですので、採算が合わないからといって支店を引き上げるわけにはいきません。それと同じで、合理化といっても、金庫にとって人は財産ですから厳しい経済環境下においても、常に適正人数を採用していく事も地域貢献のひとつと考えております。
現在淡路島内では求人が少なく、他地域へ出て行かざるを得ない状況ですが、当金庫では地元高校の卒業生をはじめ、地元出身者を中心に採用し雇用でも地域に貢献を考えております。
これから社会貢献活動に取り組もうとする企業への一言をお願いします。
地域貢献活動には様々な分野がありますが、大切なのは活動を継続していくことです。それには、自分たちの立場だけでなく、地域の人たちと意識を共有してやっていかなければ長続きはしないと思います。
本日はありがとうございました。