新しい資源創出企業としての取り組み
企業名 | パナソニック エコテクノロジーセンター株式会社(PETEC) |
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代表者名 | 取締役社長 北平 吉浩 |
設立 | 2000年4月4日 |
資本金 | 4億円 |
社員数 | 180人 |
所在地 | 兵庫県加東市佐保50番地 |
主な事業活動 | 使用済み家電製品の再商品化(リサイクル)およびリサイクル技術の研究・開発・実証 |
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掲載日 | 平成22年7月8日 (更新日:平成29年2月6日) |
パナソニック エコテクノロジーセンター株式会社の「社会貢献」についての考えをお聞かせ下さい。
当社は、使用済み家電製品の中から様々な資源を取り出す事業を行っていますが、以下の3つの取り組みが社会貢献だと考えています。 それは、
(1)リサイクル事業そのものが社会貢献である。
(2)地域と協働をつうじて「社会貢献」を行っていこう。
(3)工場をオープンな施設にして「環境学習」に取り組んで行こう。
というものです。
家電製品には様々な資源が使用されていますが、例えば、鉄や銅、アルミなどは地下資源であり 有限である上に採掘することによって資源の枯渇や環境破壊が進んでいます。
限りある資源を大切に使い、将来に繋げていくことが重要で、 当社では使用済み家電製品の中から、まだ使える資源を取り出し、また商品に戻していく事業を行っています。
私たちは、それを「商品から商品への宝さがし」“TREASURE HUNTING”(トレジャーハンティング)と呼んでいます。
資源を無駄にすることなく回収することが、資源循環型社会の実現に繫がっていくと考えています。
地域の方々とのつながりを大切にしておられるそうですね。
この工場は、美しい自然が広がる兵庫県加東市佐保にあります。豊かな自然環境を壊すことのないよう地域の方と協議し、 さまざまな環境保全のための装置を備え付けています。集塵装置でクリーンな空気を保つとともに、工場排水は水処理装置を通してから
下水へと排水しています。
また、振動や騒音で迷惑をかけることのないように防音室や防振型の機械を完備しています。 使用済み家電の運搬は周囲から使用済み家電が見えないようにバンボディ型のトラックを使用、また、工場内では外部から見えない場所に保管するといった工夫を行い、地域の方々と共存出来るリサイクル工場づくりに努めています。
さらに、県・市・地域の方々と共に「環境保全協議会」を設けて定期的な意見交換を行う環境コミュニケーションを積極的に実施しています。 周辺の環境測定も行っており、地域の豊かな自然を守り育んでいきたいと考えています。
当社は地域の方々とのコミュニケーションを大切に、共に手を取り合いながら経営を進めていきたいと考えています。
環境学習にも取り組まれているそうですが。
この工場自体オープンな施設として、環境学習に貢献していこうという考えのもと、工場見学の受入れを行っています。 年間約1,000人、累計160,000人以上(2016年12月末時点)の見学者を受入れました。当センター見学を学校の定例行事にされている小学校もありますし、 大学生、社会人、海外の方々もたくさん見学に来られています。この工場見学が、環境問題を意識するきっかけとなるとともに、 日本の先進的なリサイクル技術や仕組みを認知してもらう場にもなっていると思います。
また、工場見学に来られた青少年の中から、将来の環境を担うリーダーが育ってくれればという願いも込められています。
小野福祉工場とも協働されているとか。
兵庫県小野福祉工場には、冷蔵庫のドアパッキンからマグネットを取り出す作業等を委託しています。
障害を持つ方々が、自分のペースに合わせて作業ができるということから、この作業を通じて社会に貢献している実感や、仕事のやりがいを感じていると聞いています。
また、平成21年11月、平成27年1月に小野福祉工場の方と見学交流会を開催しました。工場に実際に来ていただき、自分たちの仕事が、工場の仕事の重要な工程の一部であることを実感していただいたと思いました。これらの取組みにより「平成27年度ひょうごユニバーサル社会づくり賞」をいただきました。
今後の取組みについてお聞かせ下さい。
家電リサイクル法が施行されて15年以上が経過しましたが、一般消費者の法律の認知度、理解度はまだまだ低いと感じます。工場見学を通して、様々な世代の方に家電リサイクルや環境について知っていただく取組みを継続していきたいと思います。
そして、この事業を通して少しでも多くの資源を取り出し、資源循環に貢献できるよう、今後も愚直に取組んで行きます。
これからの社会貢献活動に取り組もうとする企業への一言をお願いします。
私たちは、パナソニック㈱の創業者松下幸之助の教えでもある「もったいないを知り、ありがたいを悟る」という考え方が根底にあります。
工場見学や環境問題など時間や労力を使って社会貢献を行った結果が、経営に反映されてきていると思います。また、会社のイメージアップ等違う形でも返ってくると信じています。私たちは、これを信念として事業を行っております。
本日はありがとうございました。