~人々とのかかわりを通して~信頼できる豊かな関係を築く社会貢献
企業名 | 古野電気株式会社 |
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代表者名 | 代表取締役社長 古野 幸男 |
設立 | 昭和26年5月23日 |
資本金 | 7,534百万円(平成22年2月28日現在) |
社員数 | 2,687名(平成22年2月28日現在) |
所在地 | 兵庫県西宮市芦原町9-52 |
主な事業活動 | 電子応用機器、通信機器、医療用機器等の開発・製造および販売 |
ホームページ | |
掲載日 | 平成23年5月10日 |
古野電気株式会社 人事総務部 次長兼総務課長 武石 通利さんにお話を伺いました。
様々な地域貢献活動をやっておられますが、独自の活動等はありますか。
どんな活動でも、我々にしか出来ないというものはそんなにあるわけではありません。その中でも自慢に思う独自の活動をひとつ挙げるとすれば当社の軽音楽部の活動です。
同部の歴史は古く、昭和43年から活動しています。一時期、部員の異動や業務多忙により活動を中止していましたが、阪神・淡路大震災をきっかけに活動を再開し、現在も活動を続けています。
今では、地域の様々な催しもので演奏して欲しいとの要請があり、長田区での震災復興記念行事や新西宮ヨットハーバーのマリンフェスタ、9月の敬老の日には地域の敬老会慰問演奏等、地域貢献活動の一環として地域の方々に喜んでいただけるような活動を積極的に行っています。
今では、当社軽音楽部の活動に共鳴して社外の方も一緒に活動してくれています。
また、会社が認めれば、地域イベント等の演奏依頼が勤務日と重なる場合でも、業務とみなす等柔軟に対応しています。
本社周辺地域で清掃活動を行っておられるとのことですが。
敷地面積2万坪の三木工場の清掃は従業員の手で行っています。その広大な土地を社員で清掃できる技術を、地域貢献に活かせるのではないかと考え、三木工場周辺と本社敷地周辺の清掃活動を始めました。平成19年から月2回(毎月10日、25日頃)社員でローテーションを組んで活動していますので、一人当たり年2回、20~30分程度の活動となり大きな負担にはなりませんが、活動することによって地域の方に感謝され社員もやりがいを感じていると思います。また、フルノINTセンターでは西宮浜産業団地の一員として西宮浜美化協会主催の一斉清掃行動にも参加しています。
「古野賞科学技術展」について教えて下さい。
古野電気は創業者の古野清孝、清賢兄弟が昭和13年に長崎県南高来郡(現・南島原市)で漁船等の電気工事やラジオの修理を手掛ける古野電気商会を創業し、漁師の勘と運で漁を行っていた当時の漁法を目の当たりにし、科学的根拠に基づいて漁ができるよう、世界で初めて魚群探知機の実用化に成功したのが始まりでした。
「古野賞科学技術展」は、創業者お二人の出身地である南島原市で、お二人の功績を称えることと、地元地域の子供たちに科学技術に興味を持ってもらい、第2、第3のフルノ兄弟を排出してもらいたいとの意図から、科学技術教育の振興を目的に毎年開催されております。創業者である古野常任相談役は、この技術展に個人的な資金提供を行い、維持運営に寄与されています。
地域の子どもとの交流はありますか。
近隣小学校での地域の会社を調べる課外授業で、児童グループの突撃訪問を次々と受け、当社の技術について質問を受けることがあります。その他にも、当社の固有技術である超音波について理科の授業で教えて頂けないかという要請もありましたが、小学生に目に見えない超音波技術の仕組みを説明することは難しく、学校側に説明したところ断念されたこともありました。
今後、このような要請があった時には、小学生にも分かりやすい内容の授業が出来るよう工夫したいと考えております。
また、工業高校の生徒を対象とした講義授業も時折行ってています。内容は、超音波、電波を使った機械をどのように使用するのかといったもので、講師は日々の業務で機器の修理方法等をお客様に説明しており、教えることに長けているサービスメンテナンス部門の社員が務めます。
そして、三木工場ではトライやるウィークの受入れを行っています。三木市の中学生に1週間実際の業務に従事してもらいます。もの造りの体験を通して「決められたことを守る」「みんなと仲良くする」「働くことの尊さ」を実感してもらう機会を提供しています。
子どもたちが私たちの仕事に興味を持ってもらえるのはありがたいことで、将来、就職の際に「古野電気で働きたい。」と少しでも思ってもらえたらとても嬉しく思います。
地域とのつながりはどうですか。
企業存続ために地元の方々との共存は不可欠です。当社も地域に溶け込んだ企業でありたいと思っています。
その一環で、地元自治会合同の夏祭りへの参加要請が4年前にあり、私たちは喜んで参加しています。社内にある売店の方にも理解していただき、祭りでの出店に協力して頂いています。また、西宮市観光協会が行っている一般市民を対象とした“にしのみや再発見バスツアー”の見学コースに組み込まれており市の観光振興にも協力しています。大型バスでのツアーなので、1回で30~40人程度の方が来られ、当社の概要説明と商品の実物と利用技術について2時間弱見学していただいています。当社がツアー対象企業に組み込まれてから応募者が増えたということも聞きましたが、おそらく地元の方々も名前は知っているが何をやっている会社なのか知らないということなのでしょうね。ツアーで当社を訪れていただくことは当社の活動や製品を知ってもらえるとても良い機会だと思っています。
これから社会貢献に取り組もうとする企業への一言をお願いします。
近年は、どこの企業さんも業績が厳しいと思いますので、なかなか自ら積極的に活動を始めるのは難しいご時世だと思います。しかし、何らかの形で貢献できれば・・と思っている企業は多いのではないでしょうか? 地域からの申し出を受けて、それならば対応できる、ということで始める、ということでも全く問題ないと思います。そのような企業は申し出を受け入れる土壌は出来ていると思うので、当社の活動を知り同じようにやってみようと思っていただけるのならば、これにまさる喜びはありません。
本日はありがとうございました。