「社会との調和」を目指して
~「おかげ様で」の気持ちで取り組む社会貢献~
事業者名 | 株式会社モリタ |
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代表者名 | 代表取締役 中島 正博 |
創業 | 1907年4月23日 |
資本金 | 10億円 |
社員数 | 390名(2013年3月31日現在) |
所在地 | 兵庫県三田市テクノパーク1番地の5 |
主な事業活動 | 消防車や特殊部品の開発・製造・販売 |
ホームページ | http://www.morita119.jp 株式会社モリタのページへ |
掲載日 | 平成25年 5月13日 |
株式会社モリタ 執行役員 生産本部副部長兼三田工場長の岡田 泰次さんにお話を伺いました。
御社の社会貢献活動のきっかけを教えてください
■三田工場見学の受け入れ ■「未来の消防車アイデアコンテスト」 ■消火薬剤のリサイクル ■学生支援活動 ■その他のCSR活動 東日本大震災の時には、廃車になった消防車をわが社で引き取り、もう一度メンテナンス、改良をして、57台の消防車を被災地へ贈りました。はじめは義援金を贈ることも考えましたが、「モリタ」として何が出来るかを考え、消防車を贈ることに決めました。気仙沼市等、震災語に大規模な火災が発生した地域もありましたので、とても感謝されました。 何をするにしても企業理念を根底として、安全で住みよい社会に貢献するには何が出来るか、企業として果たすべき役割とは何かを常に意識しながら活動を行っています。 「モリタ」は消防車産業においては日本一ですが、やはりまだ認知度は高くありません。そのため、まずは「モリタ」という企業を知ってもらい、ファンを増やしていきたいと考えています。そのためには、今以上に工場見学の受け入れをしていきたいと思っていますし、防犯ブザーやTシャツなど、幅広いラインナップのモリタオリジナルグッズの提供にも励んでいきます。今でも多くのメディアに出させて頂いていますが、今後もより多くのメディアでPRさせて頂き、情報発信を行っていきたいと考えていますし、「良い会社ですね」と言って頂けるような活動を行いたいと思います。 <キャンクリ学生実行委員会 大手前大学 4年 溝渕 健一>
様々な社会貢献活動を行っておられるそうですね。
もともと工場は大阪の生野区にあり、そこで製造をしていました。ある時、となりの幼稚園から「消防車が見たい」という声があり、工場見学を始めること になりました。しかし、子供に見せるために活動をしているわけではないので、工場の見学は非常に危ないものでした。だから、この三田の工場は誰でも 工場見学がしやすいようにバリアフリーにしたり、実際に作業をしている音が聞けるようにしたり、臨場感を味わえるようにするなど見学しやすい工夫をして建てられています。また、もともと工場見学の案内は事務方の男性が行っていたのですが、工場見学の受け入れ対応や説明は女性が行ったほうが物腰が柔らかくて聞いている方も楽しいのではないかという考えから、専門の案内役として労務部を設置し、女性2名を選任しました。工場見学の対応は全て労務部で行うなどの体制を整えています。
現在はホームページから申込み頂き抽選で当選した方だけを工場見学にご案内している状態ですが、見学者も少しずつ増えてきて、今では1年間で4,000人もの方に見学に来ていただけるようになりました。今後はもっと多くの方に見学して頂けるようにできればよいなと考えております。
工場見学の対応を行っている労務部は、お客さんを工場に呼び「モリタのファンをつくる!」ことを目標に活動をしていますが、この活動の結果、三田市長から「三田市ふるさと企業賞」が授与されました。
この工場見学を経て、「消防車は車屋さんが造っているわけではない」ということを知ってほしいと思っています。
毎年、冬から春にかけて、全国の小学生の子供たちを対象に「未来の消防車」の絵を募集しています。この企画は、子ども達の柔軟な発想を取り入れたいということで行っています。やはり、消防車はお子さんのファンも多いですからね。昨年度は東日本大震災の影響で応募数が減りましたが、全国各地から毎年たくさんのご応募を頂いております。
応募された絵は社員食堂に貼り出され、社員の投票によってまず10名が選考されます。その10名の中から、役員が最優秀賞を決定します。最優秀賞の方には、ご家族と一緒に三田工場の見学ツアーを体験していただきます。また、応募していただいた全ての絵は、1年間工場内に掲示しています。昨年度は、被災地からもろうそくの灯りで絵を描き、応募してくれた方もいらっしゃいました。残念ながら、応募締切りを過ぎていましたが、特別賞として表彰させていただきました。
循環型社会の構築が持続発展可能な社会として不可欠であり、モリタグループでは使用年限を過ぎた廃消火器の廃消火剤の再資源化を行っています。消火器の多くが粉末系であり、粉末の主成分はリンです。リンは農業分野では欠かせない肥料成分です。一方で、消火薬剤に含まれるリンは、消火の機能を果たすため、水に溶けないように加工されており、これまではすべて産業廃棄物として処理されていました。モリタグループでは資源循環の理念に基づき、廃消火薬剤中の水に溶けないリンの改質技術に取組み、国内初の消火薬剤のリサイクル肥料となるモリタ1号を開発しました。この再資源化したモリタ1号は、全国の肥料会社に供給しています。また、モリタグループでは、モリタ1号で収穫されたお米を福岡県築上町の農家から購入するなど、循環型社会の一翼を担っております。
学生支援活動としては、トライやる・ウィーク(学生の職場体験)の受け入れを行っており、学生を招いて仕事の内容を知ってもらうようにしています。また、大阪科学技術センターと連携し、聾学校の学生に出前授業を行っています。
この他にグループ会社であるモリタ・エコノスというゴミ収集車等の環境保全車両を製造している会社が清掃活動を行っています。現在、三田工場でも、清掃活動をはじめています。30分くらいの活動ですがピークでは500人で行うのでとても大きな効果が得られます。さらには、火の用心川柳コンテストも行っており、川柳という形は高齢者から学生まで広い世代に知られているため、多くの人が参加できるという利点があります。これにより、火に関する注意の喚起も行っています。
東日本大震災の被災地への支援についてもお聞かせください
御社の社会貢献活動の特徴についてお聞かせください
また、地元の方に誇りをもってもらえるような企業であることも大切という思いを胸に活動しています。地域とのコミュニケーションを積極的にとることで我々の活動を知っていただいて、「自分の地域にはこんなすごい事をやっている企業があるんだ!」ということを伝えたいですし、自分の育った街でこのような企業が活躍しているのだと知っていただくだけでも違うのかなと思っています。
当社は「人のいのち、財産」を守るために品物を作っていますので、社会貢献度が非常に高いです。それに加え、本当に消防が好きな人が集まっていますので、自分の仕事に誇りを持っています。やはり仕事は「やらされているよりやっていて楽しい」が一番大きいと思います。CSR活動や仕事を通して、より一層みんなが胸を張って「モリタの社員です!」と言えるようになったと思います。
今後の抱負や展望についてお聞かせください
何より消防車を見たら、みなさんに「モリタだ」と言って頂けるように今後も頑張っていきたいと思います。
取材を終えて・・・
今回の取材をするまで、消防車がとてもニッチな市場であり、1台1台がオリジナルで同じものが2台とない物であることなど、知らないことが沢山ありまし た。地域との関わりを大切にしているモリタさんのような企業が少しでも増えることで、地域と企業とがより良い関係を築いていけたらなと思います。お忙し い中、ありがとうございました!
<キャンクリ学生実行委員会 関西学院大学 3年 荒木 良太>
私は、今回の取材で企業の社会的責任というよりも、むしろ積極的な社会貢献活動というイメージのCSRを知ることができたように感じました。今までの私のCSRのイメージは企業がイメージアップのために行うというものでした。しかし、モリタさんは『企業の存続はお客様があってのこと!』、『もっと当社について知ってほしい!』など熱い思いを持ちながら活動されていることを知り、社会貢献活動の素晴らしさを感じました。もっと多くの企業がCSRを行い、社会、地域に貢献していってほしいと思いました。そして、地域の活性化に企業が協力することで、地域の発展に繋がっていけばなぁと感じました。本当に、貴重なお話ありがとうございました。
<キャンクリ学生実行委員会 産業技術短期大学 2年 中島 唯>
今回の取材を通して、兵庫県に消防車を専門に製造している企業があることを初めて知りました。また、様々なCSR活動を行っていることを聞かせていただく中で、モリタさんが地域と密接に関わっていることを直接感じ、本当に素晴らしいなと思いました。モリタさんのような企業があることをもっと多くの人に知っていただきたいし、発信していきたいなと思いました。貴重な経験をさせていただき、本当にありがとうございました!
本日はありがとうございました。
※このインタビューは、兵庫県阪神南県民局、阪神北県民局が実施する「阪神地域キャンパス・クリエーター支援事業」で設置された「キャンクリ学生実行委員会」と協働で実施しました。インタビュー記事は「キャンクリ学生実行委員会」のホームページでも紹介されています。
「阪神地域キャンパス・クリエーター支援事業」とは(外部サイトへリンク)
「キャンクリ学生実行委員会」のインタビュー記事へ(外部サイトへリンク)