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兵庫県内の社会貢献企業を紹介

多様な活動資源とノウハウを持つ「企業」の社会貢献活動を促進し、「ひょうごの地域づくり活動」の輪を一層広げていくため、県内企業による社会貢献活動の実践事例や県の支援・促進施策をご紹介します。

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『共通価値の創造』を軸に。
~クオリティ オブ ライフの向上を目指して~

神戸地域

事業者名 ネスレ日本株式会社
代表者名 代表取締役社長兼CEO 高岡 浩三
設立 1913年4月
資本金  100億円
 社員数 2,500名
所在地 神戸市中央区御幸通7-1-15
主な事業活動 飲料、食料品、菓子、ペットフード等製造・販売
ホームページ https://www.nestle.co.jp/
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掲載日 平成28年3月2日

ネスレ日本株式会社
 ステークホルダーリレーションズ室長 冨田 英樹 さん に
お話を伺いました。

ネスレの社会貢献活動に対する考え方について教えてください。

                                                 

 栄養不足による乳幼児の死亡率の高さに心を痛めたアンリ・ネスレが、150年前にスイスで安全で栄養価の高い乳幼児用乳製品を開発し、これを販売するための会社を設立しました。
 またネスレが大きく成長するきっかけになったものに「ネスカフェ」があります。1929年の、ウォール街の暴落に続くコーヒー価格の暴落で、ブラジルで大量のコーヒー豆が在庫になっていました。そのような状況下、ネスレにそれを加工して市販する為に可溶性のコーヒーにできないかという相談が持ちかけられ、その解決策としてネスレが商品化に取り組んだ結果が「ネスカフェ」の誕生です。
 “CSR:企業の社会的責任”という言葉が聞かれるようになって久しいですが、ネスレでは、“CSV:共通価値の創造”という概念がマイケル・ポーターによって提唱される以前から、長期に亘って持続可能な形で事業を展開し、株主に対しての価値を創造する為には、同時に、社会のために価値を創造すべきであるということを経験的に学んできました。そして、この「共通価値の創造」の考えは現在も事業展開の基本に位置づけられています。

課題解決として日本でどのような取り組みをされていますか。

                         

 ネスレでは、栄養・健康・ウエルネス分野でリーディング企業として認知され、すべてのステークホルダーに信頼されることを目標に置いています。そしてその目標を達成するための基本的な考えの中心にも置いているのが、「共通価値の創造」の考えであり、現在3つの注力領域を選んでいます。それが、「栄養」「農業・地域開発」「水資源」になります。今回、日本で展開している「栄養」の領域における代表的な取組み、子どもの健康、そして少子高齢化が進む日本での課題である高齢者の健康について紹介します。
 そのひとつが2011年に本格的に日本でもスタートした『ネスレ ヘルシーキッズ プログラム』です。子どもの健康問題を考え、栄養に対する知識理解を促進し、正しい食生活を促す食育教育プログラムと、十分にからだを動かすことの大切さを促す運動プログラムをセットにした教育プログラムです。
 また、2013 年10月、ネスレ日本は、より多くの高齢者の方々に介護予防に取り組んでいただくため『こうべ元気!いきいき!!プロジェクト』連携協定を神戸市と締結しました。栄養や健康に関するネスレのノウハウを生かし、高齢者の“クオリティ オブ ライフの向上”に貢献しています。

『ネスレ ヘルシーキッズ プログラム』について教えてください。

                   

  世界最大のグローバル食品企業として、世界で最も複雑な課題である子どもの健康の改善に取り組むことを目的としています。各国の子どもたちの課題・問題に合せ、各国のNGOやNPOなど、子どもの健康に対する取組みの経験や知見を有する団体の協力を得ながら、各国オリジナルのプログラムを作り実施するようになっています。日本では、「一般社団法人ニュートリション運動推進会議  子どもの健康づくり委員会」と協働でプログラムを開発してきています。
 小学校1年生から6年生を主な対象とし、《栄養(食べること)プログラム》と《運動(からだを動かすこと)プログラム》から構成されています。
 《栄養(食べること)プログラム》では、「元気のもとはなんだろう」「からだのもとはなんだろう」「自分のからだは自分でつくる」の3編から構成されており、学齢期に応じた教材にはかわいくポップなイラストが用いられています。
 《運動(からだを動かすこと)プログラム》では、《栄養(食べること)プログラム》で学んだことを復習する形で進み、「ヘルシーキッズ鬼ごっこ」「ヘルシーキッズBRTプログラム」など、からだを動かす楽しさを体験します。
 2015年は1,400校を超える小学校から申し込みがあり、約34万部の児童に教材を配布しました。プログラム開始からの累計では、約6,000を超える小学校から申し込みがあり、120万人を超える子どもたちに教材を提供しました。
 実践いただいた小学校からは「体幹が鍛えられ、授業中の姿勢が良くなった」「子どもたちの“からだ”に対する興味関心を高めることにつながった」などの声をいただいています。
 教材は児童用と教師用手引きがセットになっており、無料で配布させていただいております。自信を持ってお薦めできるプログラムになっておりますので、ぜひ専用サイトをご覧いただき、ご興味をもたれた先生方、ご連絡をお待ちしています。




※『ネスレ ヘルシーキッズ プログラム』 http://www.ugoku-taberu.com/

『こうべ元気!いきいき!!プロジェクト』へのネスレとしての関わり方について教えてください。

  高齢化の進む日本、誰もが持っている「いつまでも元気に過ごしたい」という願い。 そのためには、日頃から運動や栄養管理などによる体調管理が重要との考えから、より多くの高齢者の方々に介護予防に取り組んでいただくため、神戸市と『こうべ元気!いきいき!!プロジェクト』連携協定を締結しました。
 ネスレは、このプロジェクトの取り組みの一つである「介護予防カフェ」を通じて、高齢者の方に一歩外に出るきっかけを作り、カフェまで少し歩き、ご近所の方と語り合う、そのコミュニティの場にネスレの「ネスカフェ ゴールドブレンド バリスタ」などを提供し、「ネスカフェ」を楽しみながら語らう、そんな場づくりのツールとして活用していただいています。ときには講師を派遣して自宅で簡単にできるエクササイズを紹介する「介護予防教室」も開催しています。このようにネスレのノウハウ・人材をコミュニティの活性化・元気づくりに役立てていきたいと思っています。

今後の取り組みの方向性について教えてください。

 ネスレ日本は2013年に日本で創業100周年を迎えました。次の100年に向けて、子どもや高齢者に対する取り組み等、継続的に発展させていきたいと考えています。またこれまで事業所毎で会社の方が中心になって取り組んできた従来型の社会貢献活動は、できるものは、社員主導型へ進化させてきています。六甲山系グリーンベルト整備事業(国土交通省近畿地方整備局)「森の世話人活動」などではOBが中心になって推進し、現役社員も一緒に活動する取り組みに変わってきています。社員自身の自主的な活動を通して社会問題に気づくきっかけを持ち、ネスレの“CSV:共通価値の創造”の考えをもとに取り組むべき社会課題をより意識する方向につなげていくことがより求められています。少子高齢化をむかえ、地域コミュニティの崩壊、買い物難民などの新たな問題を抱えている現代において、ネスレ日本の既存のツールを活かし、それぞれの強みを発揮することにより、社会における課題解決につながる事業を展開していきたいと考えています。

本日はありがとうございました。

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