いかなごをめぐる環境

 

いかなごは、激しい潮流が明石海峡を抜け、播磨灘で緩んだところにひろがっている浅瀬である「鹿之瀬」に棲みついています。産卵場所は、昔は、西では瀬戸大橋の付近まで西方面が多かったのに,海底の砂を取りすぎたため、当時の3分の1にまで減少してきています。

いかなご漁は二隻の漁船で大きな袋網を引っ張る船曳き網で、潮流に流され潮の淵に寄せられたいかなごを巧みに捕っていきます。しかし、限られた海域で一生を終えるいかなごは、乱獲が進むと壊滅的に減ってしまうことがあるため、産卵期の漁を規制し、網いれの

日取りも産卵を確かめてからというように、資源保護がはかられてます。

最近、資源回復計画の対象魚種である“さわら”の漁獲量が増加してきていることからも

その効果が確認できます。

また、この時期は、カレイやアイナメなどの稚魚も泳ぎ出す時期なので、網目の細かいコナの漁は他の魚の生き残りにも関係してきます。その意味からも漁獲量が厳しく制限され、

他の魚の生存を脅かさないための配慮もなされています。海全体の魚を増やして捕るという考え方です。

こういう努力にもかかわらず、一方で、瀬戸内海の水質の悪化という問題があります。

赤潮の発生件数は以前に比べ減少し、有機汚濁の指標であるCDDの値などから瀬戸内海の水質は改善してきているといわれていますが、大阪湾の沿岸のほぼ全域が埋めつくされ藻場や干潟が失われていることによる影響は決して小さくないでしょう。

それに加え、いかなごの絶好の生息場所である鹿之瀬も、明石海峡大橋の建設により海峡の幅が4Kmから3.8Kmへと狭まったことによる潮流の変化で影響を受けています。

この様な、自然破壊とも言える人間の行為によって生態系への悪影響は避けられないものになっています。

これからわたしたちは、残された藻場や自然の海岸を守り、魚たちが生息できる良い環境を創造していく努力を続けていかなければならないでしょう。私たちが、おいしい“いかなご”をいつまでも食べ続けるためにも。

 

はじめに アンケートから 明石浦漁協から これぞ究極のレシピ くぎ煮はマイブランド  

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